怒りについてⅥ

 ”怒り”という感情は、一般的にはネガティブなものと捉えられていますし、実際心に抱く感情としては心地よいものではないかもしれません。

 しかし、これまでにみてきたように、怒りが私たちに教えてくれることはたくさんありますし、私たちの内側に本当は何があるのか、怒りという感情を通して気づくことができます。

 

 怒りが沸き出てきてつらい、「怒らない自分」になりたい、と望んだ際、一生懸命”怒り”そのものを消そうと努力したことがあったかもしれません。深呼吸をしてみたり、別のことを考えてみたり、楽しいことに目を向けてみたり、好きなことでリラックスしたり・・

 こうしたことはもちろん、冷静な自分になるために大きな助けとなってくれますが、これだけで終わってしまっていたとしたら、怒りの根本原因を解決したことにはなりません。エッセンスにも、怒りを浄化してくれるものもあります。こうしたエッセンスを飲んでいると、確かに”怒り”がおさまり、一時楽になります。しかしやはり、本当はこれでおしまいではないのです。エッセンスを飲んで感情が一時静まったら、その時こそが内面に目を向けるチャンスです。落ち着いて、冷静に、自分の内側に何があるのか、何が怒りを引き起こしているのか、問いかけてみてください。

 

 怒りの大元が解消されないままであれば、一時的に怒りから解放されたように感じても、またきっかけがあれば必ず同じ反応が起こります。場所を変え人を変え、それはやってきます。そのきっかけは、私たちを痛めつけるために起こっているのではありません。気づかせるために起こっています。愛です。あなたを縛っているお荷物を手放しなさい、もうその時期ですよ、と教えてくれているのです。そして誰でも、その人の意思次第で、手放して自由になることができます。本当は、ツールさえも必要ではありません。いつだって、誰だってできることです。

 

 手放しのプロセスを選ばないこともできます。この世の中では、その選択をしている人の方が多いかもしれません。けれど、必要のない怒りを抱えて生きることは、心に重荷を背負って生きることであり、精神的に苦しいだけでなく、肉体にさえも良くない影響を及ぼします。感情もエネルギーです。周波数の低いネガティブな感情のエネルギーは、私たちのエネルギーフィールドを歪め、そこから様々な現象となって肉体に現れます。物理的な出来事として起こることもあります。私たちの身に起こっている現実は、私たち自身が創り出しているものです。

 

 人間なのですから、様々な感情が湧き起こることは当たり前のことです。恥ずかしいことでも何でもありません。肉体をまとっている以上は、感情から完全に解放されることはないでしょう。しかし、感情に支配される状態ではなく、感情をコントロールする状態になることはできます。手なずけるようなイメージです。

 ネガティブな感情を抱くことは「悪いこと」という認識を持っている人が多いかもしれません。実際は、ネガティブな感情ほど、私たちの心の内をわかりやすく映し出してくれるものですし、私たちが自由に楽に生きるための、道しるべとなってくれるものです。